寺本ひろゆき議員の一般質問を傍聴して

豊橋市議会の令和5年6月定例会で、6月15日に行われた寺本ひろゆき議員の一般質問を傍聴しました。

寺本さんは豊橋市の入札制度について質問したのですが、入札と聞くと普通思い浮かぶのは入札する複数の業者が見積もり額を出し、そのうちの一番価格が低い業者が請け負うということなのではないでしょうか。

これを競争入札と言うのですが、豊橋市では「最低制限価格制度」という入札があるそうなのです。

最低制限価格制度では行政が予め金額を決めて、入札業者がその額より低い金額を提示すると失格となるそうなのですが、疑問が幾つか思い浮かびます。

・入札をするとほぼ全て(10社前後)が同じ金額を提示する
・競争が損なわれ技術の向上がなくならないか
・自由競争でないので割高の可能性はないのか
・そもそも行政が最低価格を決めるのはおかしくないか

寺本さんも上記を質問してくれたのですが、不思議と複数の業者が同じ額を提示することを強調するために、あえて参考資料に記されてある入札額を聞き出す質問をしたところ、自民党のチンピラ議員から「質問をしろよ」とやじが飛びました。

建設関係から支援を受けていて妨害をしたいのだと思いたいのですが、もしかしたら、寺本さんがあえて布石とした質問の真意を理解できなかったのかもしれないので、そっとしておきます。

僕もこの様な入札があることを知らなかったので、調べてみると「豊橋市建設工事に係る最低制限価格制度実施要領」の第2条に次のようにありました。

”競争入札(総合評価落札方式による入札を除く。)に付す建設工事(修繕含む。)のうち、当該工事の適正な履行を確保するため必要と認められる場合に対象とする”

嫌がらせのようにわかりにくい文章なのですが、競争入札で行った建設工事の修繕は「最低制限価格制度」にするようです。

寺本さんが示した資料を見ると、確かに道路の修繕が目立ちますが、その道路がいつ競争入札でなされた工事なのかわかりません。

寺本さんの見積もりだと、このために豊橋市が余分に支払っている税金は年間約27億円とのことです。

年間約27億円は憂慮する金額なのではないでしょうか。寺本さんが質問して問題を提起してくれたことには大きな意味があると思います。しかし、議会質問だけではその事実が「はい、そうですね」と認められるだけです。

役人は直接自分の財布が痛む訳ではないのであえて事を正すための仕事を作らないだろうし、建設関係に縁のある議員は問題を大きくしないように画策するでしょう。年間約27億円を節約させるためには、寺本さんの問題提起と、それに呼応して市民の関心と行動が必要なのだということを実感しました。

この年間約27億円は縮図であり、これが日本全体で行われているし国政でも行われているとゾッとします。

2025年に日本が無くならないように、僕たちは何ができるのか。もう考え込んでいる時間はないんじゃないの。